経営戦略の要素 ドメインとは 中小企業診断士、MBAから学ぶ
今回は経営戦略の構成要素について学んでいきます。ホファー&シェンデルによれば経営戦略の構成要素はドメイン、資源展開、競争優位性、シナジーの4つです。今回はドメインを紹介します。
ドメインとは事業をする分野のこと。どんな土俵で、どんな方向性で勝負するか決めることです。ドメインを設定していれば、以下の効果があります。
- 企業の意思決定者たちは何に注力するべきか分かる。
- どのような経営資源の蓄積が必要かの指針になる。
- 企業全体で方向性が定まるので、一体感を作ることができる。
ドメインの設定に際しては、企業が考えるポイントは以下の二つです。
ドメインは広くても狭くても一長一短があり、バランスが求められます。
〇ドメインを狭くするメリットは特定の事業や製品に経営資源を集中できること、範囲が狭いので他の企業と競争になる確率が低いこと
〇ドメインを狭くすることのデメリットは顧客のニーズに合わせづらくなり、顧客を取りこぼすこと
●ドメインを広くすることのメリットは範囲の広さから、さまざまな顧客のニーズに対応できること
●ドメインを広くすることのデメリットは手広い商売となるため、経営資源を集中できない。他の企業と事業内容が重なってしまい、無意味な競争に巻き込まれる。
次に、ドメインの物理的定義と機能的定義について紹介します。
有名な例としてウォルトディズニーカンパニーがあります。ディズニーは元々は、映画を中心に活動していました。
しかし、映画という枠にとらわれず、アミューズメントやキャラクター事業にドメインを広げました。その結果、テレビの台頭によって他の映画会社が衰退する中、生存できたのです。
ドメインの物理的定義はモノ(先程の映画など)を中心に発想します。
メリット―とても分かりやすいので、ターゲットとなる顧客や製品が明確になる。
デメリット―活動の範囲が狭くなり、現在の事業領域を超える発想が出にくい。
ドメインの機能的定義は「コト・顧客のニーズ」(先程のアミューズメントやキャラクター事業など)を中心にドメインを発想します。
メリット=事業における将来の発展可能性を感じさせる。
デメリット=ドメインが抽象的になりすぎてターゲットになる顧客や事業、製品の性格が不明確になりやすい。
企業ドメインと事業ドメインについて
〇企業ドメイン―1個の会社としてのドメイン 企業全体としての事業領域
〇事業ドメイン―各事業部ごとのドメイン 事業ごとの展開領域
企業ドメインを規定するということは、展開していく事業の範囲、あるいはどんな事業部を組み合わせるか、を規定することです。企業としてのアイデンティティや基本的性格を規定することともいえるでしょう。
事業ドメインを規定するということは特定の事業の範囲を規定することです。具体的にはどのような消費者をターゲットとし、どのようなニーズを満たしていくかを規定します。
事業ドメインを規定する際に有用なツールとしてエーベルの三次元枠組みがあります。 エーベルはドメインを決める際に、
- どんな顧客に対して、
- どんな機能を、
- どのような技術によって提供するのか、
という3つの次元をもとに設定することを提唱しました。
今回は覚えるべき単語が多くて大変だったと思います。少しずつ経営の知識を身につけていきましょう。
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